2025年3月29日土曜日

感染症情報(2025年3月後半)

 インフルエンザの流行は収束しました。インフルエンザの収束と前後して季節性のかぜが増えましたが、幼稚園や小中学校が春休みに入った今は落ち着きを取り戻しつつあります。外来診療は比較的空いています。

急性上気道炎(かぜ)が流行しています。咳と鼻水が特徴です。短期間の発熱を伴うことがあります。

・溶連菌による急性咽頭炎が幼児・学童の間で散見されます。発熱と咽頭痛と発疹(紅斑)が特徴です。嘔気・嘔吐を伴うこともあります。

・アデノウイルスによる急性上気道炎が乳幼児の間で散見されます。長引く発熱が特徴です。

・胃腸炎が幅広い年齢層で流行しています。最近10年間で最大規模といわれています。嘔吐、腹痛、発熱で始まり、下痢に移行することが多いです。ノロウイルスが主な原因と思われます。

・インフルエンザの流行は収束しました。神奈川県における定点医療機関での1週間の感染者数は1.97人です。当院で3月後半はゼロでした。今季のインフルエンザ流行の開始と収束は例年よりも12ヶ月早く、ピークは12月後半でした。流行株はA型にほぼ限られ、B型は当院で1人も診ませんでした。B型は隔年で流行する傾向があり、今季流行しなかった分、来季は要注意です。

・新型コロナウイルスの流行は小規模にとどまっています。神奈川県における定点医療機関での1週間の感染者数は2.63人です。当院で1週間に02人です。子ども間での流行はなく、成人(主に親)からの感染例が散見されます。主症状は、発熱、咽頭痛、咳、鼻水です。重症化するケースは高齢者も含めて少なくなりました。急性期の症状は普通のかぜと同様ですが、まれに後遺症(味覚障害、嗅覚障害、長引く咳、倦怠感など)を生じる点が、普通のかぜと異なります。

・マイコプラズマの流行は収束に向かっていますが、ときおり幼児・学童の間で散見されます。マイコプラズマ感染症は、風邪と同じ症状(発熱、倦怠感など)で始まりますが、熱が長引いたり数日後から激しい乾いた咳が現れたりすることが特徴で、肺炎に進行するケースもあります。

・RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス(急性細気管支炎の原因となるウイルス)が乳幼児の間で散見されます。強い咳き込みと喘鳴が特徴です。呼吸が苦しそうなときは早めにご受診ください。ヒトメタニューモウイルスの詳細は「院長のコラム」(本年1月)をご参照ください。

・水痘(水ぼうそう)が複数の保育園、小学校で流行しています。当院で1週間に68名です。ワクチン2回接種済みでも罹ることがありますが、その場合の症状は比較的軽度です。

・おたふくかぜ流行はありません。

・麻疹は今年、全国で32名(神奈川県で5名)の報告があります。風疹は今年、全国で4名(神奈川県はゼロ)の報告があります。麻疹が3月以降、都市部で急増しています麻疹は5001000人に1人が死亡する重篤な病気です。感染力が非常に強く、1人の感染者は1218人に感染させます(インフルエンザが13人であることから、感染力の大きさをご想像いただけると思います)。飛沫を浴びなくても、同じ部屋にいるだけで感染します。また、妊婦が風疹に罹ると、赤ちゃんに先天性風疹症候群を生じる危険があります。2000年以降、70名の報告があります。麻疹と風疹の流行を止める唯一の手段はワクチンの普及です。自身の健康を守るために、そして社会に麻疹と風疹を蔓延させないために、1歳と就学1年前(56歳)の計2回、麻疹・風疹(MR)ワクチンを接種しましょう。

2025年3月23日日曜日

スギ・ヒノキ花粉情報(2025年 第4報)

 2025年のスギ・ヒノキ花粉情報の第四報です。

 スギ花粉の大量飛散が続いています。3月いっぱいでピークが終わると予想されます。ヒノキ花粉が飛び始めました。4月半ばまでピークが続くと予想されます。

 この先、黄砂の飛来も予想されています。「春の5K」といわれる花粉・黄砂・気温差・強風・乾燥にご注意ください。

当院はアレルゲン免疫療法を行っています。花粉症を根本から治そうという取り組みです。毎年の花粉症にお悩みの方はどうぞご相談くださいhttp://tamai-kids.blogspot.com/2020/11/blog-post.html

2025年2月5日水曜日

予防接種・健診の予約を窓口と電話でも承ります

 予防接種と乳幼児健診(8ヶ月、16ヶ月)のご予約は、インターネットの他に、窓口および電話でも承っております。

 予防接種の種類が多いため、その順番や間隔を決めることが大変かと思います。どうぞお気軽にご相談ください。

当院(小児科)の対象年齢は0〜20歳です

日本小児科学会は、小児科医が診療する対象年齢を「中学生まで」から「成人するまで」に引き上げることを平成18年に決定しました。当院も20歳に達するまで診療を行っています。子どもが成人に達するまで見守ります。中学校を卒業した後も、健康に関することは何でもお気軽にご相談ください。

2025年1月9日木曜日

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の助成措置が1年間延長されます

  HPVワクチンの接種機会を逃した女性に対する無料の救済措置「キャッチアップ接種」について、期限が2026331日まで」1年延長されました。期限延長に伴い、対象者は「199742日〜200941日生まれの女性」に拡大されます。ただし3回接種のうち1回は当初の期限である2025331日までに済ませることが条件です。

 今夏以降、ワクチンの需要が大幅に増加し入手困難であることに対する措置とされています。当院におきましても、ワクチン不足の折からご予約を窓口と電話に限らせていただいていましたが、供給量が増える見通しがたちましたので、本日(2025年1月9日)よりインターネットでのご予約も承ります。

HPVの有効性(子宮頸がんの予防効果)と安全性(重篤な副反応が稀であること)は、国内外の多数の研究で明らかにされています。当院はワクチン接種を推奨しています。

2024年12月26日木曜日

栄養相談のご案内

 当院は第2、第4火曜日の午後2〜3時に栄養相談を実施しています。担当は江崎グリコ株式会社から派遣される「管理栄養士・子供心理カウンセラー」の方です。

 乳幼児健診の時間帯に行いますが、どなたもご参加いただけます。お子様の食事や栄養でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。予約制です。電話か窓口でお申し込みください。

 なお、2025年2月は11日が祝日のため、4日(第1)と25日(第4)に行います。

2024年12月13日金曜日

マスク着用のお願い

 インフルエンザの流行が始まりました。待合室が混み合いまして、皆様にご迷惑をおかけしています。

 発熱している方、咳が出ている方は、マスクを必ずご着用ください(着用が難しい乳幼児につきましては、ハンドタオルなどをご用意ください)。マスクを持参されていない場合、当院でマスクをご購入いただきます。

 院内感染の拡大防止のため、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。