2014年12月27日土曜日

小児慢性特定疾病 指定医

 平成27年1月1日、「小児慢性特定疾病」の医療費助成制度が一新されます。当院はこれに際し、「小児慢性特定疾患 指定医」の資格を取得しました。医療費助成の申請に必要な「医療意見書」を作成することができます。申請をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
 新制度では、従来の514疾病に加えて107疾病を対象とし、小児慢性特定疾病は704疾病に拡大されます。新たな対象となる疾病には、ダウン症候群、レックリングハウゼン病(神経線維腫症)、ヒルシュスプルング病などが含まれます。詳細につきましては、小児慢性特性疾病情報センターのホームページ(shouman.jp)をご参照ください。
 当院は従来から、成育外来(土曜午後)において、慢性疾患をもつ子どもたちとそのご家族の支援を行ってまいりました。子どもの健全な育成のために、医療費助成のための医療意見書を作成するだけでなく、最新の情報を提供したり、医学的な助言を行ったり、関係機関(教育、行政、医療など)との連絡調整を行います。

2014年12月25日木曜日

インフルエンザワクチンの効果


今シーズン流行中のA香港型インフルエンザについて、15歳以下の小児でワクチンの効果が高いことが、慶応大学小児科の臨床研究で明らかにされました。接種を受けた小児(生後6ヶ月以上、15歳以下)の約60%にインフルエンザの発病を抑える効果が見られています。

2014年10月5日日曜日

ロタウイルスワクチンには二種類があります

ロタウイルス胃腸炎を予防するワクチンには、ロタリックスとロタテックの二種類があります。どちらも同程度に優れた効果を有します。米国小児科学会の報告では、ワクチン接種により、ロタウイルス関連の入院件数が94%減少しています。

2014年7月23日水曜日

子宮頸がん予防ワクチン 積極的勧奨の一時中止(第四報)

 厚生労働省は2013年6月14日、子宮頸がん予防ワクチンの積極的勧奨を一時的に中止しました。接種後に広範囲の疼痛または運動障害を訴える人たちが多数報告されたためです。以来、安全性に関する審議が重ねられてきました。2014年1月20日に行われた第7回会議で、これらの訴えは「接種による痛みや腫れで心身の反応を引き起こされ慢性化した」「ワクチン成分が直接の原因になったという科学的知見はない」と結論されました。しかし2014年7月4日の第10回会議でも、積極的勧奨の中止は継続されることになりました。

 ワクチンそのものは現在も中止されていません。ワクチンの予防効果の利点を選択する場合、従来どおり公費で接種を受けられます。接種率は大きく減ったものの、現在も全国で一ヶ月あたり約二千人の接種者がいます。厚生労働省の会議において、接種する場合はかかりつけ医で行うことが推奨されています。当院は希望する方に対して、十分な説明を行った上で、接種事業を継続しています。

2014年7月16日水曜日

A型肝炎ワクチン

 A型肝炎は、公衆衛生が劣悪な環境で多発します。日本は上下水道の整備などにより、A型肝炎の感染者を見る機会がほとんどありません。A型感染は慢性化することなく治りますが、まれに劇症化して死亡する例があります。劇症化の頻度は年齢とともに増加します。
 東南アジアなどの流行地に渡航する方には、ワクチン接種をお勧めいたします。1歳以上の子どもに接種できます。間隔は初回をゼロとして、2〜4週後と24週後の計3回です。2回だけでも、2〜3年間は抗体が維持されます。他のワクチンとの同時接種もできます。
 接種をご希望の方は事前にお申し込みください。

2014年6月29日日曜日

水痘ワクチンの定期接種化(第三報)

 水痘(水ぼうそう)ワクチンが、2014年10月1日に定期接種化されます。1歳〜3歳未満児に、3ヶ月以上あけて2回接種します。標準的には生後12〜15ヶ月に1回目、6〜12ヶ月あけて2回目、です。経過措置として2015年3月末日まで、3歳〜5歳未満児に1回接種できます。
 すでに水痘に罹ったことがある児は、接種する必要はありません。
 任意接種として1回接種した児は、その回数分をすでに接種したものとみなされます。1歳〜3歳未満児は、あと1回を定期接種できます。3歳以上の児は、非常に残念なことに、あと1回を定期接種できません。任意接種になります。
 任意接種として2回接種した児は、追加の接種は必要ありません。

2014年6月19日木曜日

土曜日の午後にも乳幼児健診をいたします

8ヶ月健診と1歳6ヶ月健診の予約が混み合い、ご迷惑をおかけしています。木曜日14〜15時の枠内で収まりきれない場合、土曜日午後にも乳幼児健診をいたします。事前予約制です。ただし土曜日は栄養相談を行っていません。ご承知おきくださいますよう、お願い申し上げます。

2014年5月30日金曜日

妊娠を予定または希望する女性における風疹抗体の無料検査

 神奈川県は、風疹の予防と蔓延防止を推進する目的で、風疹抗体価の無料検査を実施します。実施期間は、平成26年6月1日から平成27年3月31日までの間です。
 対象は、保健所設置市(横浜市、川崎市など)を除く県域の市町村に在住し、妊娠を予定または希望する女性です。ただし、過去に風疹の予防接種歴がある人、風疹の罹患歴がある人などは、対象から除外されます。当院におきましても、風疹抗体の無料検査を実施いたします。ご希望の方は受付窓口にお申し出ください。

2014年4月23日水曜日

髄膜炎にかかる子どもが大幅に減っています

 ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンが2011年に定期接種化されて以来、髄膜炎にかかる子どもの数が急速に減っています。5歳未満人口10万人当たりの罹患率を2008〜2010年と2013年で比較しますと、ヒブ髄膜炎は96%の減少率、肺炎球菌髄膜炎は61%の減少率です。両ワクチンの効果は著明です。
 ヒブは完全制圧に向けて順調な動きです。肺炎球菌には約90種類の血清型があるため、完全制圧にはまだ至りません。当初は髄膜炎を起こしやすい7種類の抗原を含む7価ワクチンが使用されていましたが、2013年11月から13価ワクチンに変更されており、今後の減少率のアップが期待されます。
 髄膜炎は子どもの命を奪う恐ろしい病気です。生後2ヶ月になったらできるだけ早くワクチンを接種しましょう。

2014年3月27日木曜日

空間除菌剤に医学的根拠なし

 二酸化塩素(ClO2)を発生させる商品を首に掛けたり部屋に置いたりするだけで「空間を除菌できる」という宣伝には医学的根拠がなく、景品表示法違反に当たるとして、消費者庁は3月27日、販売する会社に再発防止を求める措置命令(行政処分)を出しました。

 当院は以前から、これらを健康への希求を逆手に取った悪質な商品ととらえ、過度の期待を抱かないように(できれば使用しないように)お伝えしてまいりました。感染防御の基本は、日ごろからの十分な休養とバランスのとれた栄養の摂取、外出時のマスク、外出から戻った際の手洗い、咳エチケットの励行です。怪しげな除菌グッズに惑わされることなく、基本に沿って健康を維持したいものです。