2011年6月26日日曜日

ヒブ・小児用肺炎球菌ワクチン(再掲)

 ヒブワクチン(アクトヒブ)と小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)の接種後に乳幼児の死亡例が相次いだことを受けて、厚生労働省は専門家会議を招集して十分な検討を行い、 (1) 両ワクチンの接種と死亡について「明確な因果関係は認められない」、(2) 同時接種について「安全上の懸念はない」と結論しました。

 ワクチン接種後に報告される有害事象は、”真の副作用”と”紛れ込み事象”の両方を含みます。乳幼児では、乳幼児突然死症候群(SIDS)、急性感染症、先天異常などの重篤な疾患が”紛れ込む”可能性があります。米国ではすでに大々的な調査が完了し、ワクチン関連の死亡は皆無(すべて紛れ込み)と結論されています。今回、日本において有害事象が多く報告された背景には、(1) 公費助成制度により被接種者が急増したこと(紛れ込みも多くなる)、(2) 公費助成制度において、因果関係が明らかでなくても、有害事象を全例報告する方式に変わったこと(やはり紛れ込みが多くなる)、の二点があります。

 当クリニックにおきましては、科学的検証の正当性、諸外国における過去の実績(安全性と有効性)を考慮し、両ワクチンの同時接種を積極的に進めてまいります。

 なお、乳幼児突然死症候群(SIDS)は院長のコラムをご参照ください。

2011年6月8日水曜日

ワクチンの同時接種

 ワクチンの同時接種は、諸外国では普通に行われている手技ですが、日本ではまだ馴染みが薄いせいか、効果と安全性についてのご質問をしばしばお受けします。結論を申しますと、ワクチンの同時接種は子どもたちを病気から守るために必要な医療行為です。以下、日本小児科学会が発表した声明文を一部引用します。

 同時接種について現在分かっていること : (1) 各ワクチンの有効性は低下しない、(2) 各ワクチンの有害事象・副反応の頻度は上昇しない、(3) 同時接種できるワクチンの本数に制限はない

 同時接種の利点 : (1) 各ワクチンの接種率が向上する、(2) 子どもたちがワクチンで予防される疾患から早期に守られる、(3) 保護者の時間的負担が軽減される

 当院は同時接種を積極的に採用しています。ただし、同時接種を希望されない方には日をあけて別個に接種いたします。